今回は、久住高原の早春の風物詩、「野焼きのヒミツ」についてお話します。
今日は、レゾネイト周辺の野焼きでした。
「野焼き」は、草が湿っていると、火が点きませんので、雨天・雪天・強風の日は行えません。
この1週間、雨天、曇天が続いたため、草原の草が乾ききっておらず、作業を延期するかどうか危ぶまれましたが、昨日と今朝の晴天のおかげで、直前に決行を決定し、無事行うことができました。
午前10時前から着火。
着火は、点・点と行います。
よく、「火点けをしてみたい」というご希望を伺いますが、実は、火点けは風の方向や人の配置、地形を読みながらの熟練の技が必要なのです。
この火が燃えて隣の火と繋がり火の線になると、野焼きのスタートです。
これが繋がった様子です。
火入れは、基本、輪状に火を点けていきます。
そうすることで、炎が輪の中心に向かって進みますので、思わぬ場所への延焼を防ぐことができます。
万が一、予想違いの場所へ燃え広がった場合や、小さな火が燃え残った場合は、「消火隊」が、ジェットシューターと呼ばれる背負い式の水ポンプと、先日ご紹介した火ぼて(火消し棒)で、消火してまわります。また、秋に行う「輪地切り」という防火線の草刈り作業も、延焼を防ぐための秘策です。
炎は、バチバチと大音響を轟かせ、人の背丈以上に燃え上がった後、最終的に一つの大きな炎になり、燃えるものがなくなったら、消えていきます。
燃え終わった後は、荒涼とした黒こげの大地が広がります。
これを繰り返し行い、全てを焼き終えたら、野焼き作業は、終了です。
ちなみに、野焼きを行う草地は「自然草地」と呼ばれ自然のままの植生の草地、野焼きを行わない草地は「人工草地」と呼ばれ牧畜のための牧草を植えている人工の草地です。
今日は、レゾネイトのお隣の「石原牧野」も朝から野焼きを行っておりましたので、昨晩からご宿泊のお客様は、いたる所で立ち上がる炎のショーを楽しんでいらっしゃいました。
久住高原の春の準備、人間が手助けできる準備は、全て整いました。
あとは、自然の力にバトンタッチです。
来週は、3月7日に「沢水キャンプ場周辺」、3月8日に「久住地区・白丹(しらに)地区」の野焼きが予定されておりますので、もし、お時間が許せば、足を運んでみてはいかがでしょうか。
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