今日は、「今はもう見られなくなってしまったもの」のヒミツです。
「レゾネイト」の建物の周りには何ヶ所かU字溝があります。
お客様が一番目にされるのは、駐車場とセンターハウスの境にあるU字溝だと思いますが、そこには以前、U字溝のUの形に添って、何メートルかおきに幅30cmくらいの「金網」が貼られていました。
これって何のためのものだと思いますか?
実はこれ、雨が降って、雨水がU字溝を流れる際に一緒に流されてしまった虫たちを助けるために付けられていました。
もともと、土のままでしたら、多少の雨でしたら雨水は土に染み込んで流れ出すことは少ないのですが、駐車場は車の走りやすさを考え、最小限とは言え、一部をアスファルトにしました。
すると、染みこみにくくなった雨水は、低い場所(U字溝)に集まります。
勢いのついた雨水で流された虫たちは、何もひっかかるものがなければ、U字溝の中を流され続け、最終的には「ジ・エンド」となってしまうところですが、網にひっかかることによって、助けることができる…かも知れないという思いで付けておりました。
ところが、近年の温暖化による異常気象のため、久住高原でも、短時間の間にU字溝から溢れるほどの豪雨が降ることがあり、その度、草刈りをした後の草が雨水とともに流れ、この網に引っかかることによって、溢れた雨水がお客様の足下を悪くしてしまうだけでなく、先日もこのブログに書きましたが、施設内の低地での浸水に繋がったりと、自然を愛する気持ちだけではどうすることもできない部分が出て参りましたので、数年前、やむを得ず取り外すことにいたしました。
雨水が溢れてもお客様への影響が少ない客室から草原側にあるU字溝には、まだ数ヶ所「金網」が残っており、野焼きの度、その姿を目にします。
それでも、未だに、U字溝の上には、可能な限りコンクリートの蓋はしていません。私たち人間にとっての不便さはありますが、流されそうになった虫たちがいつでも飛び出せるように。
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