目指す場所はメドック地区サンテステフ村。メドック地区はボルドー市の北側、ガロンヌ川がドルドーニュ川と合流し、ジロンド川へと名を変え、その左岸に広がる銘醸ワインの産地です。ボルドー市内から車で約1時間。グラン(特級)シャトー街道と呼ばれる県道2号線を北上します。途中マルゴー村、サンジュリアン村、ポイヤック村等を通り、景色はどこまでも続くぶどう畑に中世のお城のようなシャトーが点在しています。ガイドさんからそれぞれのぶどう畑やシャトーの説明を受けながら、あっという間に1時間が過ぎ、サンテステフ村へと到着しました。
その日は風の強い日でした。天候も不安定で、晴れたり、雲がかかったり、雨が降りそうになったりの繰り返しでした。バスから降り、ガイドさんについていくとコンクリートの壁に囲まれたぶどう畑と一つのシャトーが見えてきました。シャトー・カロン・セギュール。今はありませんが、以前レゾネイトでも取り扱った事のあるワインです。このワインにはひとつのエピソードがあります。
セギュールとは人の名前、カロンとは畑の名前です。かつてセギュール侯はカロンという畑の他に格上のラトゥールやラフィットといった有名なぶどう畑を所有していました。ある人がセギュール侯に尋ねました。「あなたは沢山のぶどう畑を持っているが、どの畑が一番好きなのか」セギュール侯は答えました。「私の心は常にカロンと共にある」と。カロン・セギュールのラベルには大きなハートマークがありますが、これはカロンという畑に対する愛情の象徴だという事です。その愛らしいラベルの影響もあり、クリスマスやバレンタインデーによく売れるそうです。
聞いた話によると、シャトー・カロン・セギュールは、ワイナリー見学者を一切受け付けていないそうです。今回はぶどう畑を見学して次のシャトーへと向かいました。
次に訪れたのはシャトー・コス・デストゥルネル。舌を噛みそうな名前ですが、ボルドーワインが好きな方にはお馴染みですね。コスとは砂の丘を意味し、デストゥルネルとは最初の所有者エストゥルネル氏に由来します。下に写真を載せていますが、シャトーの建物はインドや中国を思わせる建築物です。このシャトーを設立したエストゥルネル氏はもともとインドやアジア諸国と貿易をする商人だった事からこのような建築物になったそうです。メドック地区の格付け(注)で、2級に格付けされていますが、実力は1級であると言われています。ここもぶどう畑を見学して次の目的地、ポイヤック村へ向かいました。
(注)
シャトーとは、簡単に説明すると自社畑で自らぶどうを栽培するワイン醸造所の事です。メドック地区では61のシャトーがグランクリュ(特級酒)として格付けされています。その中でも更に1級から5級まで分けられており、カロン・セギュールは3級、コス・デストゥルネルは2級に格付けされています。
(タノリエ)
写真左より
シャトー・カロン・セギュール(2枚)
シャトー・コス・デストゥルネル(2枚)
左下:サンテステフの街並み
とてもわかりやすく、まるでこちらもボルドーを旅している気持ちになります♪ポイヤックも楽しみにしています。
投稿情報: ショウタママ | 2006-08-29 14:51