今日は、客室のドアのカギのヒミツについてお話します。
ご宿泊いただいたお客様はよくご存知かと思いますが、レゾネイトの客室のドアのカギは、カード式ではなく、キー式、かつ、「2回回し(ダブルロック)」を必要とします。
1回回すと、半分カギが閉まり、2回回すと完全にカギが閉まります。
この「ダブルロック方式」のカギ、どちらかレゾネイト以外の場所でご覧になった方はいらっしゃいますでしょうか。
実は、これ、ドイツ製のカギなんです。
ドイツにご旅行なさった際、ご覧になったことありませんか。
「ダブルロック」というスタイルはもとより、客室の中からのカギの形状も普段見慣れないものなので、戸惑われた方も多いかと存じます。
このカギを採用した理由ですが、レゾネイトが開業した頃は、まだ「ピッキング」などという言葉は一般的ではなく、また、最近ではよく見かけるようになりましたカード式もそこまで普及していない頃でした。
当時から、今のようなご時世を想定していた訳ではありませんが、客室が外に向かっているデザインのレゾネイトでは、当時最先端の精密機械を必要とするカード式は、故障の頻発が想定されました。
かつ、そういったデザインの中、ホテルとしてお客様のセキュリティをお守りするためには、簡単には開けにくく、一般的でないカギを使用することが大切なことでした。
日本でも、ここ数年、技術の進歩により、犯罪対策用のカギも増えてはおりますが、ドイツではドアロック金物を箱錠、プロファイルシリンダー、レバーハンドルに分類して、それぞれを厳格なDIN規格(日本のJIS規格に相当)で用途、機能に応じて等級を定めています。
当時、そういったことを調べ尽くし最終的に辿り着いたのが、不正解錠が簡単にはできないこのドイツ製の「ダブルロック式」のカギでした。
カギからの連想になりますが、レゾネイトの客室のキーホルダーもオリジナルかつなかなか例を見ないものです。
このデザインは、他の家具・小物類同様、建託家のデザインです。
大きめのサイズにすることにより、よくホテルご滞在中に起こりうる「カギがどこにいったかわからなくなった」というお客様のストレスをできるだけ除ければ…という気持ちがあったそうです。
お客様のお目にかからないバックヤードのエピソードになりますが、ホテルでは、キーホルダータイプの客室のキーを保管・管理するのに、キーボックスというものを使います。
カギの駐車場みたいなものです。
レゾネイトでは、これで、お客様へのご伝言を管理したり、フロントとリネン室の連絡用にも使っております。
もちろん既製品のセミオーダーという方法もあるのですが、この遊び心溢れるキーホルダーは残念ながらそれら既製品の中にはおさまりきれませんでした。
そのため、キーボックスもフルオーダーの特注品を使っております。
既製品のキーボックスを使うために、キーホルダーのデザインを合わせるという選択もありましたが、お客様が実際お手に触れるもの、例えば、キーホルダーのデザインのようなそんなちょっとしたところにも、きっとお客様の感動があるはずだと考え、そうはいたしませんでした。
最後になりますが、携帯電話に頼らない昔ながらのお約束によるお連れ様との「お待ち合わせ」で、非日常的なコミュニケーションをはかっていただきたいという私どもの思いもありまして、ご滞在中、カギを1室に1本しかお渡ししておりません。
そのことで、温泉ご利用の際など、ご不便をお感じになったお客様も中にはいらっしゃるかと思います。
それにつきましてはこの場を使ってお詫び申し上げます。
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