今回は「ドンペリ」の愛称で知られるドン・ペリニョンについてのお話です。実は私は今年の5月にフランスのワイン産地を巡る旅に出ました。訪れたのはボルドー地方とシャンパーニュ地方です。ボルドー地方については、また別の機会にお話したいと思います。
シャンパーニュ地方はパリから車で約3時間の一面の緑に被われた場所にあります。フランスのワイン生産地の最北端でもあります。平地が多いフランスですが、シャンパーニュ地方は小高い丘や谷があり、傾斜が45度にもなるような急斜面にもぶどうが植えられています。
ドン・ペリニョンというシャンパンは、フランス最大のシャンパンメーカーであるモエ・エ・シャンドン社が醸造・販売しています。また、ドン・ペリニョンという名前はある人物の名前に由来しています。
ドン・ペリニョンは、モエ・エ・シャンドン社があるエペルネ市から車で約20分程にあるオーヴィレールという小さな村の修道院で暮らし、76年の生涯をシャンパンの完成に捧げました。より複雑なシャンパンを造る為、異なるぶどう園のワインをブレンドする、澄み切ったぶどうジュースを搾り出す為、黒い皮のぶどうを優しく素早く搾る、ワインの二次発酵で生じる炭酸ガスの圧力に耐えられる厚めのボトルを用いる、ボトルを密封して発泡力を維持する為、コルク栓を使用する等、基本的なシャンパンの製造方法を発見したと言われています。現在私達がおいしいシャンパンを楽しむ事ができるのも、ドン・ペリニョンのおかげであると言えるでしょう。
今回の旅で私はオーヴィレール村を訪問しました。小高い丘の上にあるその村は、一面のぶどう畑とエペルネ市街を一望できる大変眺めの良い村でした。また、その村には外国人の観光客にも笑顔で手を振る心の優しい人々が住んでいました。丘の頂上付近に歴史を感じさせる小さな教会があり、その教会にドン・ペリニョンは眠っていました。「おいしいシャンパンを造ってくれて本当にありがとう」、そう心の中で呟きながらドン・ペリニョンのお墓参りを済ませました。
レゾネイトのドン・ペリニョンは2万円を超えます。決して手頃な価格ではありませんが、見果てぬ夢の実現の為に尽力したドン・ペリニョンの苦労を思えば、やはりそれだけの価値があるように思えます。これからシャンパンがおいしい季節になります。時には贅沢にドン・ペリニョンで乾杯をしてみられてはいかがでしょうか。
(タノリエ)
写真左より
ドン・ペリニョンの銅像
オーヴィレール村からの風景(手前にモエ・エ・シャンドン社の自社畑、奥にエペルネ市街地)
オーヴィレール村(中央の建物がドン・ペリニョンが眠る教会)
瓶熟成中のドン・ペリニョン
ドンペリニョンではなく、ベラヴィスタをいただいてまいりました。タノリエさんにもお会いでき、また、スタッフの洗練されたサービスに子供連れの身、とても感謝いたしております。
ソムリエコラム更新、楽しみにしております♪虫の声の聞こえない東京より
投稿情報: ショウタママ | 2006-08-10 23:28