草原に牛が放牧される時期になりました。久住に来ると、写真のような光景を見ることができます。久住らしい風景です。私もこっちに来た頃は発見するたびに
「牛だ、牛だ~!」
なんて喜んでいました。しかし今は冷静沈着、横目でジーィと見てしまいます。
あれは去年の秋でした。夜の9時にホテルを出て、家に帰っていました。体調が悪くフラフラしているので、ほぼ徐行状態で運転している時です。カーブを曲がると、何か黒い物が道路に、しかもすぐ目の前にあるのです。
「はっ?何!?」
と思った瞬間遅かった。ガガガッというぶつかる音と共に現れた牛のお尻。なんと2匹も牛が有刺鉄線を越し、道路に出ていたのです。目線よりも高い牛のお尻をこんなに間近で見たことなんてありません。
「も~なんでこんな所に牛がいるわけ!?意味わからんっ!」
パニックに陥った私は車の中で叫びまくりました。電灯も無い真っ暗な山の中、真っ黒い豊後牛が出ていてもわかるわけがない。しかもカーブで…。具合が悪いのなんて吹っ飛びました。徐行していたお陰で私の体は無事でしたが、車はフロントガラスは割れ、前方は全て取り替えるほどひどく傷付きました。この牛騒動、未だにスタッフからは伝説のように語られています。何もここまで久住を満喫しなくても、トホホ…という感じです。
ちなみに、なぜか
「で、牛はどうなったの?」
という私より牛を心配する質問が多いので先に書いておきます。牛は強し。
「ちょい待った!」
と叫ぶ私を置いて、ゆっくりと逃げていきました。大きな糞を残して…。(牛はびっくりすると糞をするらしいです)恐らく草原生活に戻ったと思われます。もう有刺鉄線が切れていることはないと思いますが、夜の運転には気を付けて下さい。久住でしか有り得ない事故がいつ起こるかわかりません。牛を見るたび思い出されます。
(ますちゃん)
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