昨日、読み合いが終わる頃に、心温まるご家族にお会いしました。私が『にんきものずかん』(近藤薫美子・作)を子供たちと読んでいた時です。
この絵本に興味を持たれたお母さんが
「おもしろいですね~」
と、声を掛けて下さいました。この『にんきものずかん』は、私が大学時代に近藤さんから直接サインをもらった、想い出の本です。虫たちの世界が細かく描かれており、『ウォーリーを探せ』のように、与えられた課題がどこに隠れているのかを探す絵本なのです。子供たちは顔を寄せ集め、ジィッと絵本とにらめっこ。見付けることができた子は、得意そうな顔をし、見付けられなかった子は、次は見付けるぞー!っと意気込んで次のページをめくる。表情を見ていると、本当にかわいくて
「どこかな~どこかな~」
と私は言いながら、楽しくなってきます。その絵本を通して始まった出会いでした。
小学生の男の子と女の子、そしてお父さんとお母さんの4人家族。お母さんはボランティアで読み聞かせをされているとか。お父さんは、画家でもあり絵本作家 安野光雅さんのファンだそうで
「私の父と一緒です」
なんて話で盛り上がりました。話は弾み、私が大学時代に童話を書いていたことを話すと、実は男の子の夢は童話作家になることだと教えてくれました。
「どんなん書いてるの~?」
私の願いを聞いてくれて、男の子はお話を始めてくれました。想像力豊かで、予想もできない展開。私は、眠る前に突拍子も無いお話を作って遊んでいた子供の頃を想い出しました。あの頃に住んでいた世界を、私はもう出てしまったんだなぁなんて淋しくなりました。男の子は今、まだその世界に住んでいます。冒険をしたり、いろんなものに出会ったり…。でも、今日は再び世界に入ることができ、嬉しかったです。
今回出会ったご家族は、絵本を通してコミュニケーションをとっているのを感じました。“読み合い”ってやっぱりいいなぁと思いました。次はどんな出会いがあるのでしょうか。楽しみです。
未来の作家さん、がんばってね!
(ますちゃん)
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